「どう?できたの?」
「それが…。」
「え?できてないの?じゃあ、いいわよとりあえず、できたところまでで。」
「それが…。」
「えーー!もしかして、何にも?」
「…、何にも…」
「ちょっとぉ、やる気ある?」
「あるんだけど、自分のこと、よくわかんなくて…。」
「その代わりね。」
「何よ?」
「試しに旅行のパンフレット、作ってみたの。こんなツアー、あったら楽しいだろうなぁって、思って…。」
「ちょっと…。」
「なんかやってるうちに楽しくなっちゃって…。」
「あんた、これ、昨日一日で作ったの?」
「うん…。夢中でやってたら朝になっちゃって…。」
「これって…、全部自分で考えて作ったの?」
「うん…。国分寺から借りた雑誌の特集、満里瞳さんのツアーの紹介を見てね、私もこんなの作ってみたいーって、見よう見まねで…。」
「あんたって子は、スゴいんだか、なんだか…。でもこのパンフレット、すごく良く出来てるわね。しかも、見たことないわね、こんなツアー…。」
「だって、私のオリジナルよ!でもちゃんとフライトスケジュールなんか合わせてるし、ランド費用なんかも満里さんのツアーを参考にしてるから実現可能だと思うわ。」
「何よ?ランド費用って?」
「ホテル代とか観光にかかる費用とか現地でかかる費用よ。」
「あんた、詳しいわね…。」
「だって、旅行会社に就職するんだもん。」
「そ、そうね…。って、あんたに言われなくたってわかってるわ!」
「もし、就職うまくいったら、二人でこのツアー行こうか!」
「す、スゴいじゃない、成功報酬ってことね。」
「えー。国分寺が私の最初のお客さんてことよ。」
「何よ?私からお金、取る気?」
「当たり前じゃない、だって、私、プロよ!」
「…。あんたって人は…。ふふふ。でもきっとあなた、プロになれるわ!私がなんとかしてあげる!」
「え?ホント?」
「任せときなさい!」
「国分寺ぃ!」
** 【10月1日記事の転載】 **
0 件のコメント:
コメントを投稿